解説します！3種類の二世帯住宅の特徴とリフォームについて

社会の高齢化に伴って、二世帯住宅の需要が高まっています。ただ、今は高品質な既存の住宅も非常に多いです。それらを解体して新たに建てることは、あまり賢い方法ではありません。

そのため、既存の住宅をリフォームして二世帯化することが望まれます。しかし、リフォームをするにしても、闇雲に話をするのは得策ではありません。二世帯住宅とはどの様な物かを知っておくことが大切なのです。

そこで、ここでは二世帯住宅の種類と特徴、そしてリフォームの注意点などについて解説したいと思います。

二世帯住宅の特徴とリフォームについて

二世帯住宅には3つの種類があり、それぞれに特徴があります。どの様な特徴を持つ住宅かについて見て行きましょう。

完全分離型

完全分離型の二世帯住宅は、一軒の家を完全に2つに仕切るタイプです。浴室、トイレなどの設備の他にも、キッチン、リビング、玄関までの空間も親世帯と子世帯で別にします。玄関から寝室まで別にするため、お互いのプライバシーが高いレベルで守られる点が特徴と言えるでしょう。

完全分離型へのリフォームは、世帯間を完全に仕切り、設備を2倍に増やします。そのため、リフォーム工事が大規模になりコストもそれだけ膨らみます。

部分共有型

部分共有型は完全に区分するのでは無く、玄関を共有して、生活空間を二世帯で分けるタイプの二世帯住宅です。生活は別にしていても、顔を合わせる機会が増えるので、適度な距離を保つのに向いています。

リフォームとしては玄関を共有してはいますが、設備も2倍になりますし、一般の家とは間取りも大幅に変わります。ですからリフォーム工事のコストも高くなってしまいます。

共有型

共有型は玄関だけでなく、浴室やリビングなども共有するタイプの二世帯住宅です。生活空間の多くを共有しているので、親世帯と子世帯の距離が近くなるのが特徴です。

この二世帯住宅は浴室などの設備を共有しているので、設備費用が倍にはなりません。そのため、比較的安価でリフォームは可能となります。

二世帯住宅へのリフォームの注意点

次に、リフォームの注意点について解説します。二世帯住宅は間取りや設備の数など、一般の住宅と仕様が違うので、リフォームにおいても注意が必要です。

出来ないリフォームもある

現在のリフォーム技術は非常に高度になっています。しかし、やはり難しい工事は存在します。

例えば、浴室やトイレなどの移設は難しい場合があります。と言うのも、考え無しに移設してしまうと、排水がしにくくなり、詰まりやすくなる事態も考えられるからです。

ですから、計画時には「出来ること」と「出来ないこと」をハッキリさせた上で話を進めるのが大切です。

建ぺい率と容積率に注意

土地には建ぺい率と容積率が定まっているため、自由に改装出来るとは限りません。建物の面積や床の広さなどに制限が加えられているのです。そのため、二世帯化する場合にも、建物に制限が発生するのです。

例えば　4LDKの住宅を2つに分けて2LDKが2つの二世帯住宅にする場合、部屋の広さの確保が難しくなります。その場合は増築の必要性を感じるかも知れませんが、土地に設定された建ぺい率と容積率の範囲を守る必要があります。

バリアフリーも併せて考えたい

二世帯住宅にリフォームする場合には、同時にバリアフリーについても検討しておくべきでしょう。状況にもよりますが、将来を見据えるとバリアフリーが住生活の課題になるからです。

バリアフリーは手摺の設置や段差解消だけの話ではありません。介助者が就く場合を考えたり、車いすなどの器具の使用も考えなければなりません。十分に検討をして決めましょう。